今年度東根市でのうKNOW®を導入された経緯やきっかけと事業の概要を教えてください。
毎年、もの忘れ相談会を1回実施しています。もの忘れ相談だけですとなかなか参加しにくいところがありましたので、脳の健康度チェックと血管年齢測定などの機器の体験も出来ますという点をうたいながら実施させて頂きました。ちょうどもの忘れ相談会前に「のうKNOW」を紹介いただきましたので、是非取り入れてみようということで今回導入させていただきました。
※「のうKNOW」は疾病の予防や診断を目的としたものではありません。
今年度新規事業として「のうKNOW」を導入された際に活用された予算について教えてください。
もの忘れ相談会が地域支援事業の包括的支援事業(社会保障充実分)の中にある認知症総合支援事業から支出をしています。ある程度の予算化をして事業を組み立てていますが、今回の「のうKNOW」導入費用であれば上記事業の中で支出できると考えました。
普段、住民の皆様から、認知機能に不安を覚え、ご相談を受けるケースはありますか?
直接ご家族から、もの忘れや認知症が心配ですとの相談が寄せられます。社会福祉協議会には、認知症の方の個別ケースを支援する認知症初期集中支援チームが設置されておりますので相談が来た場合にはそちらのチームにお繋ぎをして個別の対応をしていただいております。受診支援や今後の生活の方向性が定まった段階で例えばまだ介護保険を使う段階ではないけれども人との交流は必要という方は、私たちが主催している「なごみカフェ」にお誘いしたり初期集中支援チームと連携をしながら支援を進めています。相談に関しましては色々ですがもの忘れが心配というよりはすでに症状がある程度進行して困った段階でご家族が相談にお見えになるケースが圧倒的に多い印象です。もの忘れが気になる早期の段階で相談に繋がればと思いますのでこの意識を高めていきたいです。
実施された対象年齢、人数等を教えてください。
市報で広く市民全世帯に周知を図っているので年代問わずどなたでも参加可能でしたが、実際ご来場いただいて「のうKNOW」を実施されたのは50~80歳代の方でした。平均年齢は70.5歳で男性2名、女性11名の13名でした。
住民の反応や感想から当初期待した効果や反応は得られたか?どのようなところが期待に応えられたか?
今回参加された方は年齢層が高い80歳代の方もおりましたので、タブレットの操作に戸惑ったり途中で疲れてしまい最後までたどり着けなかった方も中にはいましたが、日頃タブレットを使い慣れてる方はご自身のペースで測定されすごく手軽に出来るしトランプは皆さん馴染みあるものなので抵抗なく実施できた印象です。住民の方の感想としては、「脳の健康度チェックは人生で初めてでしたが良い経験になりました。」「最初は少し大丈夫か不安がありましたが実際にやってみて、からだもあたまも健康であることが分かり安心しました。」など住民の方々に脳の健康度についても関心を持っていただいた事が大きな収穫でした。
実施後のフォロー、今後どのように活用していくと住民の関心を高めることができると思いますか?
今回は「のうKNOW」実施後の個別フォローは特に想定はしておりませんでした。しかし、毎月実施している認知症予防カフェ「なごみカフェ」にご希望があれば参加いただきながら相談をお受けしたり初期集中支援チームによる個別の支援をご希望の方には対応することを想定して、当日はなごみカフェの案内チラシと初期集中支援チームはどのような活動してるのかをご理解いただくチラシを会場内に設置しました。今後は、是非若い方々にも脳の健康に関心を持っていただきたい思いがありますが、実際には他人事というかまだ自分事として捉えられないところがあります。事業のネーミングを「手軽に出来る脳の健康チェックをしよう&相談会」にしたり、案内チラシに「タブレットで手軽に脳の健康度チェックが出来ます」など具体的に記載して、若い方も参加しやすい工夫をしたいと思います。参加いただいた時に、認知症のサポーター養成講座の周知や認知症に関する相談窓口の周知も合わせて行うことで認知症の理解促進にも繋げたいです。
取り組みとして、住民の皆様への広報・運用面での工夫があれば教えてください。
もの忘れ相談会を企画した中に「のうKNOW」は後付けで取り入れたという経過があります。今回「のうKNOW」を取り入れた理由としては、住民の方々がもの忘れ相談会に参加しやすいように1つのツールとして体験していただけるプログラムを用意し、市報で案内をかけさせていただきました。