脳の元気度測定やもの忘れ相談で「のうKNOW」を導入された経緯を教えてください。
茂原市では、市民が自身の認知機能の状態について意識を高め、認知機能の低下を感じた方が、早期に適切な医療やサービスへ繋がるよう「のうKNOW」を導入しました。
当初他のツールも含め検討しましたが、市民が楽しみながら気軽に実施できる点や、効率的に多くの方をチェックできる点も評価し、「のうKNOW」を導入しています。トランプを使いゲーム感覚で利用できるのも、当市のニーズに合っていました。
現在は「もの忘れ相談」を兼ねて市役所で実施する方法と、ご自宅へ訪問し実施する2つのチェック機会を設けています。導入初期はタブレット端末がなく、利用方法に苦慮していましたが、他課の端末を借りることで、今は順調に運用しています。
※「のうKNOW」は疾病の予防や診断を目的としたものではありません。
住民の方などから、普段もの忘れに関するどのようなご相談を受けるか教えてください。
免許更新の時期など、節目にご相談を受けるケースが増えています。今後は警察署にも市が行っている事業を伝え、両者の協力体制を築きたいと考えています。その他、郵便局からも暗証番号がわからないなどの問い合わせを受けることもあり、各機関と連携を図る必要性を感じています。
「のうKNOW」を実施される方はどのような方が多いでしょうか。また実施後の反応や事例を教えてください。
広報を見て自ら参加する方もいれば、特定健診で認知機能の項目に該当する方は、こちらから市役所で実施できることを呼び掛けてしています。広報経由の申込者は意識が高く、定期的に実施を希望される方もいます。特定健診経由の方は、自ら申し込んでいる訳ではないので、身構えて来てしまうこともあります。実施後の感想は様々ですが、全体的に楽しんでいる印象です。
これまでの事例では、認知症初期集中支援チームへ早くつながったこともあります。5-6年前からご家族や周囲も「あれ?」と思うことがある方で、奥様もずっと悩まれている状況でした。本人は頑なに受診拒否しており、検診のつもりで「のうKNOW」を実施したことがきっかけで、初期集中支援チームのサポートへ繋がりました。最初に「のうKNOW」で楽しくチェックできたことにより、初期集中支援チームへ繋がり、いきなり受診を勧めるよりも心理的なハードルが下がり、チームの継続的なサポートや受診につながった可能性があると考えています。