※のうKNOW®は疾病の予防や診断を目的としたものではありません。
記事①からの続きになります
取り組みとして住民の皆様への広報・PR・声かけ方法、運用面で工夫された点を教えてください
「のうKNOW」の取り組みは継続する中でリピーターが増え、昨年実施したことを覚えていて声をかけていただくことも増えてきました。しかし、認知度はまだ十分とは言えません。広報の方法としては、民生委員さんを通じての情報提供や、通いの場にチラシを配布するなど地道な活動を行っています。また、自治会の回覧板を活用し、チラシを確実に目にしてもらえるようにしています。市の広報も有効ですが、情報量が多く見落とされがちなので、自治会の回覧が確実に目に触れる方法として重宝しています。
さらに、SNS(インスタグラムやLINE公式アカウント)も活用し、最新の空き状況などを発信しています。今後は「どこかで見たことがある」「聞いたことがある」と思ってもらえるような状況を作り、認知度をさらに高めたいと考えています。
運用面では、最初は職員2名で対応していましたが、事務スタッフが参加することで、予約などを任せることができ、役割分担が進んだことにより運営がスムーズになりました。
「のうKNOW」を申し込んだきっかけはどのような理由が多いですか?
参加者の多くは、自分の脳の健康状態を試してみようという気持ちで申し込まれる方が多いようです。チェック後には、「まだ悪くなくて良かった」「思ったより若くなくてショックだった」といったコメントをよく聞きます。特に女性は友達と一緒に参加するケースが多く、男性は夫婦で参加されることが多いです。また、リピーターには男性が多い傾向があります。定期的にゲーム感覚でチェックすることが少しずつ習慣化してきているのかもしれません。
一例として、もの忘れ相談につながった方は、夫からもの忘れを指摘されたことがきっかけでした。身近な人が気づいて、早めに相談の場に来ていただけることは非常に嬉しいことです。
取り組みについて今後の構想などがあれば教えてください。
今後も、脳の健康状態を客観的に知ること、そして自分の脳の健康を振り返るきっかけを提供し続けたいと考えています。また、他の健康イベントと同様に、脳の健康もライフスタイルの維持に欠かせない要素として伝えていきたいです。最近では、腸内環境の改善や免疫力の向上に関心が高まっていますが、認知症への不安を抱えている方々にも関心を持っていただけるような講座を企画していきたいと考えています。
認知症を前面に出すと高齢者に偏りがちですが、ライフスタイルの維持や若々しさを保つための視点で取り組むことで、より広い世代に関心を持ってもらえると考えています。これらの取り組みは、医師会や包括支援センターとも連携し、一つの三田市として認知症地域づくりを進めていくことを目指しています。
9月23日に開催された「知る見る聞く認知症」の中でブース設置した「タッチde脳の健康チェック」の反響を教えてください
これまでのように市広報やSNSを活用した案内に加え、今回は市内全中学校へチラシ配布を実施しました。保護者世代が30代後半から40代以上の方であると考え、タッチで脳の健康チェックやその他講座についても若年層の参加を促すためでした。
50名先着順とし、混雑をさけるため実施時間を決めて整理券の配布を行ったところ、すぐに受付を終了するほどでした。49歳~87歳(40代1名、50代4名、60代13名、70代18名、80代14名、平均年齢72.28歳)の方が参加され、「思ったより若くなかった、また挑戦したい!」「最初は結果を見るのが怖かったけれど楽しかった」「次はいつできるの?」「疲れたけれど普段あまり使っていない私の脳がフル回転して活性化したと思う、良いことだよね」と自身の脳の状態を知ることに皆さま興味津々なご様子でした。また、実施された過去の結果と比較できると知ると参加継続に関心を寄せる方が多くいらっしゃいました。
認知症かどうか?を問われると参加も躊躇されがちですが、健康維持のために、今、どの程度若さが維持できているのかを知っていただけますよ、とお伝えすることが参加意欲につながっているように感じました。