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神奈川県横浜市西区|「脳の健康、気づくきっかけを」会場&自宅でできる取り組み

取材:2025年3月、5月 横浜市西区 高齢・障害支援課

今回は、横浜市西区で実施されている『脳の健康度チェック事業』について、担当者の方にお話を伺いました。事業の背景や取り組み内容、住民の反応、今後の展望などをご紹介します。

掲載内容をさらに詳しく知りたい、自治体へコンタクト希望の場合には下記の「お問い合わせはこちら」までお願いいたします。

経緯と概要について

——脳の健康度チェック事業を始められたきっかけを教えてください。
新型コロナウイルス感染症の流行前に認知症講演会を開催した際、認知機能チェックの機会を設けましたが、実施者は数名にとどまり、当時はあまりニーズがないのではと感じていました。

しかしその後、薬局と連携して行った介護予防関連の講演会で脳年齢測定を実施したところ、定員に達してお断りするほどの盛況となり、参加者から「また開催してほしい」との要望も寄せられました。疾患から少し距離を置いた、気軽にチェックできる機会には一定のニーズがあると実感し、今後の方向性を検討していたところ、エーザイから のうKNOW®の紹介があり、区の事業として活用することを決定しました。

どこらぼlight_横浜市西区チラシ

事業の実施状況と若年層へのアプローチについて

——実際の運用はどのように行われていますか?
令和5年度から「のうKNOW」を導入し、当初は試行的な位置づけで区役所内に測定会場を設け、個別相談と併せて実施しました。さらに、地域ケアプラザ(地域包括支援センター)からの声掛けもあり、出前型スマホ教室と連携して1回実施しました。
1年間の実施を通じて運用にも慣れ、遠方から区役所まで足を運ぶ方もいたため、令和6年度からは区役所内での測定会場型を6回、出前型も6回、計12回の測定機会を設けています。

——参加者の年齢層や反応について教えてください。
対象は50歳以上ですが、参加者の多くは70代〜80代です。各会場では多くの方にご参加いただいており、6月の会では定員40名が満員となり、当日も39名が参加するなど高い参加率を記録しました。
一方で、若年層の参加率は平日開催の影響もあり低く、横浜市の電子申請を活用してリーチを図りました。横浜市のホームページやLINE登録者に向けて、自宅やスマホで気軽にチェックできることを発信し、登録者には「のうKNOW」実施用のURLをメールで送付しました。
2025年1月末から1カ月間の募集で、定員50名に対し41名の応募があり、そのうち50〜64歳の方が29名と、狙い通りの結果となりました。

事業によって期待される成果、住民の反響について

——この事業を通じて、どのような成果を期待されていますか?
本事業はMCI(軽度認知障害)や認知症啓発の意味合いも含めて実施しており、認知症に対する不安や避けたいという思いを持つ方々に、正しい知識を持っていただく機会としたいと考えています。
また、区役所での実施時には個別相談につなげることも重視しており、実際に測定結果から助言につながったケースもあり、成果の一つと捉えています。
脳の健康度チェックは単なる測定にとどまらず、その後の行動変容にもつながっていると感じています。

——住民の反応や応募状況はいかがでしたか?
チェックツールに対する反響としては、「手軽にチェックできるならハードルが低くて良い」との声があり、一定の好反応が得られました。
また、「横浜市がこうした取り組みをしてくれて嬉しい」といった声もあり、住民ニーズの存在を実感しています。

どこらぼlight_横浜市西区風景1

広報・PR・運用面での工夫について

——広報や運用面で工夫された点があれば教えてください。
当区では横浜市のLINEを活用し、紙媒体の広報やチラシ、区民利用施設での案内を行っています。
運用面では、「のうKNOW」の3番目(視覚学習:視覚的情報をもとに新しい適応の仕方を習得していく機能)のチェック項目が理解されづらいことがあるため、事前にエーザイ株式会社が提供している実施の流れ説明動画など活用しながら、丁寧な説明を行い、最後まで自分で実施できるよう工夫しています。

 

どこらぼlight_横浜市西区風景2

今後の構想について

——今後の展望について教えてください。
令和6年度から3つのパターンで事業を展開しており、まずはこの事業を継続し、成果につなげることを目指しています。
今年度は集中して「のうKNOW」を実施できるよう、区役所の会議室を活用しています。測定後の個別フォローを適切に行い、横浜市のもの忘れ検診や介護予防事業などへの橋渡しを進めていきたいと考えています。
※「のうKNOW」は、疾病の診断や予防を目的としたものではありません。

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「脳の健康度チェック事業」サポートのご提案
脳の健康度チェックは、体重や血圧のように気軽に自身の認知機能の状態を知ることを目的としています。「脳の健康度チェック事業」ではチェックそのものの実施に加え、地域住民の方々への広報活動、チェック後のフォローアップまで含めた取り組みをご支援いたします。ぜひ貴自治体においても何なりとご相談ください。
事業に活用する、脳の健康度チェックツール のうKNOW®(ノウノウ)
「のうKNOW」はブレインパフォーマンス(脳の健康度)のセルフチェックツールです。トランプカードを使ったゲーム感覚の4つのチェックで「記憶する」「考える」「判断する」などの脳のパフォーマンスをチェックできます。テスト結果では同年齢の平均と比べた、脳の健康度を確認できます。定期的にチェックすることで、以前の結果と比較することも可能です。
※「のうKNOW」は疾病の予防や診断を目的としたものではありません。
見積もりシミュレーション
脳の健康度測定(「のうKNOW」)、イベント運営の概算費用を算出できます。