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兵庫医科大学病院|自分らしく生きるために「正しく知る」MCI院内教室の取り組み ーインタビュー記事①-

取材:2024年5月15日 兵庫医科大学

掲載内容をさらに詳しく知りたい、自治体へコンタクト希望の場合には下記の「お問合せはこちら」までお願いいたします。

*MCI(軽度認知障害)はMCIの記載に統一しています

現在MCIと診断されてもその後の支援がない、いわゆる空白期間が生じてしまう中、認知症疾患医療センターでもある兵庫医科大学病院ではその期間を埋めるための院内教室の取り組みを行っています。

教室の名前は「四季の会」

季節の移り変わりに合わせて当会も年4回開催し、MCIに関する情報や知識を提供する支援プログラムを行っています。

記事では当会の経緯や今後の展開も含めインタビュー内容を2回に分けてご紹介します。

 

飾り付け

ご本人、ご家族対象の診断後支援の場である「四季の会」について開催の経緯や概要を教えてください

背景と始まり:

・第1回は平成30年3月に開催
・認知症疾患医療センターの役割として認知症の鑑別診断、投与薬剤の決定、かかりつけ医の先生との連携、フォローを行っている
・一方で薬物療法、かかりつけ医へのつなぎだけでは十分ではないと考え、その他の支援を模索してきた。そしてセンターとして新たな取り組みのきっかけを作りたいとの思いから「四季の会」が始まった

対象者と取り組み内容:

・対象者はセンターで診断を受けられた患者さまとご家族
・参加者は会場の関係で最大30名(15〜20人程度が適切な人数)、年に4回の頻度でレクチャーや体操を行っている
 主な内容は下記の通りで、レクチャーや体操を通じて参加者の生活の質を向上させることを目指している
 1.認知症に関するトピックス
   ●センター長によるご挨拶
   ●各部門職によるミニレクチャー
 2.頭と体を使う運動の紹介
   ●脳を活性化する運動「ブレパサイズ®」体操

※プレパサイズは疾患の治療や予防を目的としたものではありません。
※ブレパサイズおよびブレパサイズロゴは、エーザイ株式会社およびその関連会社の登録商標です。

過去からの活動内容と展開:

・当初はMCIに特化した取り組みではなかったが、参加者の理解を得ながら、より目的を明確にした内容へとアップデートした
・春夏秋冬の季節ごとにイベントを企画し、参加者がどの会からでも気軽に参加できるような環境を提供している
・コロナ禍でもオンライン会やクローズドな形式の会を開始し、センターの活動を継続できた。コグニサイズの資格を持つ看護師による指導や、昔の歌や回想法を通じた認知機能の支援も行ってきた

会では医師、看護師、ソーシャルワーカー等の皆さまが関わり、対応されていますが、各専門職の役割について教えてください

各専門職の役割は下記の通りです。
大学病院ということから医師の話はニーズも高く、必須で内容に入れています。また地域の情報も交えながら話をしています。

●医師|知識を身に付けるためのレクチャー
●看護師|創作・知的活動、体操のデモンストレーション
●ソーシャルワーカー(SW)|企画から運営全般のコーディネート

会には認知症地域支援推進員の皆さまも参加されていますが、役割について教えてください

推進員の皆さまは地域の事を良くご存じであり、地域の集い場、認知症カフェ、お出かけスポットなどを紹介いただいています。
また社会参加できる場、ご本人だけのデイサービスではなく、ご家族と参加できる場の紹介も大変ありがたいです。

そして集いの場への初回参加の際には推進員と待ち合わせをすることも出来るのではないかと考えています。

担当エリアについて現在西宮市からご支援をいただいており、芦屋市や尼崎市については今後協力を依頼していく予定です。
推進員の皆さまからは、地域包括支援センターでは早期の認知症当事者の方と出会う機会が多くないためつながりが持てて良かったというコメントもいただいています。

またセンターとしても地域のMCIや認知症の方の生の声や実際の日常生活においてどのようなものが必要とされているかの情報を推進員から得ることが出来るため大変ありがたいです。

診断後支援の会(MCI院内教室)を病院の中で開催するメリット・デメリットについて教えてください

メリット:
・会へのアクセスのハードルが低減できる
 ―病院で開催することで受診のタイミングに合わせ通院の一環として参加でき、会の継続率向上にもつながる
・普段馴染みのないデイサービスと比べ敷居の低さがある
・アプローチが難しい方にも参加依頼できる
 ―病院内に関しては男性が参加しやすく実際割合も多い
 ―現在、介護保険が不要の方でも体験の場として色々と情報が入手できる

デメリット:
・病院特性によるざわつきがあり落ち着きに欠ける場合がある(救急車の音など)
・医療行為外で活動のため、転倒やケガのリスクや個人情報の管理への配慮がより必要である

インタビュー記事②へと続きます

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