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インタビュー記事①からの続きになります
*MCI(軽度認知障害)はMCIの記載に統一しています
医師:
診察では症状や検査結果などを踏まえ診断結果などを正しく伝え、かかりつけ医との連携について話を進めています。病名の告知直後は中々ピンとこなくても、帰宅後わからないことを思いつくこともあるためその際にはお気軽にご相談くださいとお声がけしています。具体的な聞き取りは、診察室を出た後、診断後支援の対応としてSWから本人、家族も含め聞き取っていただいています。
ソーシャルワーカー(SW):
限られた時間の中ですが本人、家族と面談して率直に「結果を聞かれてどうでしたか?」とお聞きしています。
具体的に「MCIやアルツハイマー型認知症と聞かれてどう感じましたか?」ともお聞きして、疾患に対しての理解度もお聞きしています。診察後のリラックスした環境の中での率直な意見を聞きたいと思っています。
反応としては「ずっとおかしかったのでやっぱりそうだったか」と受容する場合や、MCIと伝えられると「認知症ではないけどやっぱり何か良い状態ではなかったんだね」と言われることもあります。また一方でご家族はMCIと診断結果を聞いた時に「こんなに出来ないことがあるのに認知症ではないのですか?」とギャップを感じる反応もあります。
診断後支援では説明の補足をすることもありますが、本人・家族がどんなことで困っているのか、本人が出来る様々な事をやってもらうことがご家族のためにもなるということも聞き取りながらお伝えしています。
そして、その場では「じゃあ明日から何をしますか?」と投げかけ、本人・ご家族に今後について考えてもらっています。進行予防に何がいいかなどを考え、場合によってはデイサービスの紹介もします。そうしないとせっかく勇気を出して受診してくれたことの意味がなくなってしますよということもお伝えすることもあります。
ソーシャルワーカー(SW):
お聞きするとご本人の多くは「困ってないです、全部できます、大丈夫です」ということが良くあります。
ご本人のいる前では家族に聞き取りづらい場合もありますが可能な限り両方にお聞きしています。また家族が多くを話してしまい、本人は話さない場合も良くあるので対象者に合わせて対応しています。
また困りごとや望むことは、受診した時の段階から本人と家族では温度差があります。主に家族は困りごとを説明しますが、本人はそこまでではないことがまああります。
医師:
再診に関しては、お困りごとを聞き取るという事よりは積極的に取り組んでいることを聞いて話を膨らませるようにしています。
「褒め(るための)外来」というわけではありませんが、一つ何か進行予防によいこと、例えば散歩などやっていることを聞き取れれば、褒めるようにしてモチベーションの維持向上になるようお話ししています。さらに深堀して、日常生活で何か珍しいことをしていないか、お昼間の時間帯で何かしていないか都度都度聞いています。
「四季の会」へのお声がけのタイミングとして、基本的にはMCIと診断された方には全員案内しています。
2月開催の時には23年4月~24年2月頃に診断された方に案内しましたが約4割の方には興味を持ってもらえました。
ご案内した時の反応として「今後どんなことに取り組んでいきますか?」の問いに対して聞き流している人については参加は難しいかなと感じています。ただ少しでも考えようかなとお話ししてくれた人には「四季の会」に来て、色々近況を教えてくださいと伝えています。
「四季の会」は私たちとの相談のきっかけとなるということでお誘いしています。特に社会交流が少なく、きっかけがつかめないような方に対して重点的にお声がけをしていますし、ぜひ来てほしいですね。
今後は引き続き各専門職からのレクチャーや情報提供することで、様々な視点からMCI患者さんをサポートしていく予定です。
そして5月の会から活用を開始した「MCIノート」をどのように使っていくかもしっかりと考えていきたいと思います。
また会が終わると、皆さんスッとお帰りになられてしまいますが、希望される方がいるならば会をピアサポートや認知症カフェのような役割や場所に出来ないかとも考えています。
そして「四季の会」ではオリジナルで運動プログラムであるブレパサイズ®を取り入れています。兵庫県からの委託で県下3施設の認知症疾患医療センターで取り組んでいる「ひょうごMCIネットワーク強化事業」の中でも特徴を出しながら活動していきたいと思っています。
※プレパサイズは疾患の治療や予防を目的としたものではありません。
※ブレパサイズおよびブレパサイズロゴは、エーザイ株式会社およびその関連会社の登録商標です。