※「のうKNOW」は疾病の予防や診断を目的としたものではありません。
三田市で「のうKNOW」を導入・ご活用された経緯を教えてください。また、実施された住民の皆様から聞いた反応を教えていただけますか?
「のうKNOW」を導入したきっかけは、地域の医療機関の医師からこのデジタルツールについて教えていただいたことが始まりです。その後、市の高齢者支援課とも相談しながら進めていきました。最初に感じたのは、「のうKNOW」がゲーム感覚で脳の健康度をチェックできるという点で、非常に印象が良かったということです。
住民の反応としては、初めてタブレットを触る方々には戸惑いもありましたが、実際に触ってみるとすぐに覚えていただきました。終了後には、「楽しかったので、もう一度やりたい」という声をいただくことがあり、好評でした。
普段、住民の皆様から、認知機能に不安を覚え、ご相談を受けるケースはありますか?具体的にどのような内容ですか?
地域包括支援センターでは、認知症に関する相談は主に家族から寄せられ、多くの相談内容は、自宅での具体的な症状についてです。
その中でも本人からの相談内容は、認知症の症状が気になるというものよりも、認知症に対する備えや将来の不安から来るものが増えています。そのため、市が行っている「もの忘れ相談会」を紹介することもあります。
もの忘れ相談会には年間約70名が参加しており、その多くは「名前が出てこない」「物を探す回数が増えた」というような症状を訴える方々です。
今回「のうKNOW」をご活用いただき、住民の反応や感想から、当初期待した効果や反応は得られましたでしょうか?具体的にはどのようなところが期待に応えられましたでしょうか?
「のうKNOW」の導入後、三田市総合福祉保健センターで定期的に行った脳の健康チェックでは、参加者から前向きな反応を得ることができ、期待していた効果は確実に得られました。出張で行ったチェックでも同様の反応があり、特に親子イベントで30代の方とその母親が一緒に脳の健康について考えるきっかけを共有できたことが良かったです。

令和6年度使用したタッチde脳の健康チェックチラシ
また普段の事業では、脳の健康を意識した生活を送るよう促しています。
さらに、チェック後に実施したアンケートでも住民の率直な感想が得られ、健康増進や睡眠に関する意見が寄せられ、次回の市民講座のテーマ選定に役立ちました。
今後、実施後のフォローを含め「のうKNOW」をどのように活用していくと、住民の脳の健康への関心を高めることができると思いますか?
実施後のフォローとして、新たに脳の健康に特化した教室を立ち上げるのはハードルが高いため、既存の事業につないでいくことを基本に考えています。結果に応じて、「安心した」と感じる方もいれば、「こんなはずじゃなかった」という声も聞かれますので、その際にはフォローをしながら気づきを促しています。
今後も、アンケート結果をもとに健康課題を抽出し、それを既存の事業に反映させていきたいと考えています。また、地域の通いの場との連携を強化し、病院で実施されている取り組みも紹介することで、住民の関心をさらに高められると感じています。
②へ続く