沖縄県|「なんくるないさぁ」でつながる、人と地域の優しい場所

取材:2026年3月 沖縄県宜野湾市

一般社団法人はくまーる 代表 小原 鑑善さんにお話を伺いました

はじめに

沖縄で「なんくるないさぁカフェ」を開いている小原さん。

地域の助け合い文化を土台に、認知症のある方も役割を持って働ける場をつくってきました。
今回は、カフェ活動のきっかけや内容、間違いを受け入れる社会へのこれからの想いを伺いました。

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「なんくるないさぁカフェ」はどのような思いや背景から始まった取り組みなのでしょうか?

日本国内では「注文をまちがえる料理店」の活動に共感した方々が、各地で独自にイベントを展開しています。
私は前職の株式会社フロンティアに在籍していた際、北海道から沖縄までさまざまな地域を担当しており、どの地域 でも必ずこの活動を主催されている方を探していました。
しかし、沖縄ではコロナ禍をきっかけに活動されている方がいなくなってしまい、「それなら自分でやってみよう」と思い立ったことが、「なんくるないさぁカフェ」のスタートです。

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京都で行われている「まぁいいかカフェ」の取り組みを知ったきっかけと、沖縄で展開しようと思われた理由を教えてください

関西エリアを担当していた頃、京都で「まぁいいかカフェ」を主催されている平井さんと、たまたま出会ったことがきっかけです。
その後、公私ともに活動をサポートさせていただき、沖縄に来てからも協力関係は続いています。
このご縁があったからこそ、沖縄でも同じ思いを共有しながら取り組めると感じました。

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左手前は「まあいいかlaboきょうと」の
平井万紀子さん

沖縄で「なんくるないさぁカフェ」として展開するにあたり、京都の取り組みから引き継いだ点と、沖縄ならではの工夫について教えてください

活動の根本的な方針は、「まぁいいかカフェ」、そして「注文をまちがえる料理店」と同じです。
キーワードは「働く」ということ。認知症のある方であっても、できることを一生懸命取り組んでいただき、その時間を通して“生きがい”を感じてもらうことを大切にしています。
沖縄ならではの点としては、「なんくるないさぁ(なんとかなるさ)」という言葉が象徴するような、受け入れる空気感や人のあたたかさを、自然に場づくりに活かしているところだと思います。

実際にカフェを開催してみて、参加者の反応や、印象に残っているエピソードはありますか

この活動は、認知症のある方はもちろん、引きこもりがちな方や、社会的孤立を感じている方にとっても、とても効果的だと感じています。また、地域差をあまり感じない点も特徴で、日本全国だけでなく、グローバルな課題への対応事例になり得る取り組みだと思っています。
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活動を続ける中で感じている難しさや、継続のために工夫していることはありますか

まずは「働くこと」に意味がある、という体験をしていただくことが大切だと考えています。何かとせわしない世の中ですが、限られた時間の中で、「間違いを許容する社会」を参加者自身にも体感してもらいたい。
そのために、ノウハウを持つメンバーが全体のコーディネートは行いますが、地域の方々や支援者が主体となり、当事者意識を持って取り組めるよう意識しています。

このカフェが、参加者や地域にどのような変化や価値をもたらしていると感じていますか。

活動を通して感じるのは、「地元のことほど、地元の人は意外と見えていない」ということです。
なんくるないさぁカフェでは、開催場所や人材など、地域に眠っているさまざまなリソースを丁寧に掘り起こす準備に時間をかけています。
それが結果として、参加者の生きがいづくりだけでなく、地域全体のつながり直しにもつながっていると感じています。

最後に、今後「なんくるないさぁカフェ」をどのように発展させていきたいとお考えですか。

本当は、「なんくるないさぁカフェ=株式会社フロンティアゆい」と言われるように、認知度を高めていきたいという思いもありました。しかし、その夢は叶いませんでした。
これからは、「なんくるないさぁカフェ=一般社団法人はくまーる」として、参加メンバーを募りながら、地道に活動を継続していきたいと考えています。

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後列真ん中が小原鑑善さん
(九州作業療法学会2026in沖縄にて)

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